280馬力自主規制は何だったのか

お昼休みにヤフーニュースを見ていると、「280馬力自主規制は何だったのか」といった趣旨の記事を目にしました。

興味があったので少し深読みしてみました。

そもそも馬力とは何なのか。

馬力とは自動車のパワーを示す数値で、アクセルを踏んだ時の加速力が異なります。

例えば、トヨタのノア/ボクシーはおよそ150馬力といったところです。280馬力だと倍近いパワーがある事になります。
ノア/ボクシーに乗っている感覚で280馬力の車のアクセルを踏むと、あまりの加速力の強さにおし○こチビるかもしれません。

では280馬力自主規制とは何なのか。

事の発端は1980年代になり、交通死亡事故が多発するようになりました。
その対策の一環として当時の運輸省(現:国土交通省)が、300馬力以上のエンジンは作るのは辞めてほしいと、各自動車メーカーに通達しました。
そして1989に発売されたフェアレディZが280馬力に収められたので、それ以降発売された車のエンジン最高出力は280馬力までとされ、それが2004年まで続きました。

まず、車のエンジン出力を下げたら事故が減ると言うのは何の理由にもなりません。
パワーが高ければ、当然止まるための性能も高くなります。
ましてや、300馬力の高出力の車なんて、全体からみたらほんの数%に過ぎません。


国からも特に法で規制する訳ではなく、あくまで「自主規制」といった形でお願いしているに過ぎないのにも関わらず、各自動車メーカーは280馬力自主規制をきちんと守り続けてきました。
この辺りは日本人の生真面目さの象徴なのでしょうか。

2000年を超えてからは交通死亡事故も全国で1万人を切るようになり、海外の自動車(フェラーリやポルシェ等)は普通に300馬力、400馬力を発揮し、日本で走っています。

もはや自主規制の必要が無いと政府に訴えたところ、あくまで自主規制という事から、それを拒否する理由もなく、あっさり規制は解除されることになりました。

それでも現在は日産GTRやスバルWRX等極一部の車に300馬力以上のエンジンが載っているに留まっています。
エンジン出力が大きくなれば、当然燃費は下がります。
現在は車を開発する上で燃費は必ずついて来ます。
あえて燃費の悪い、使い勝手の悪い車が選ばれることは本当に少なくなっています。
また、若者の車離れや、一般的な高級車よりも高価になってしまった事が更に拍車をかけています。

自主規制中だった1990年代は自動車の全盛期だったと思います。
特に某走り屋のマンガの影響で、若者はこぞってFRに乗り、毎晩のように走りを楽しんでいました。
もしあの時代に自主規制が無かったらどうなっていたのでしょうか?
もしかしたら、パワーを追い求めるばかりに車本来の性能を度外視する傾向になったかもしれません。
自主規制があったからこそ、足回りやボディの剛性を向上させる技術を培う事ができたとも考えられます。

今の時代、自主規制が解除されたからといって、社会的に大きな影響を与えることはありませんでした。そもそも自主規制なんてものがある事自体知らない人がほとんどだと思います。
車の用途も時代時代で変化しています。今後環境問題から切っても切り離せない存在となり、ガソリン車もどんどん減って来るのでしょう。
それでも車を操る楽しさは、どんなに時代が変わっても忘れたくは無いし、各自動車メーカーも出来る範囲でこだわってもらいたいですね。