【ガンダム列伝】として数あるガンダムタイトルをいろんな目線でピックアップし、新たな発見をするべく考察していこうと思います。
第一回目は「初めてづくしのポケットの中の戦争」
「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」はOVAとして1989年3月から8月にかけて全6話リリースされています。
後にDVD化、BD化もされています。
このポケットの中の戦争は初めて尽くしの作品となっています。
今では当たり前となっていることも、元を辿ればこのタイトルが始め、ということが多くあります。
それではいってみましょう。
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初めて①富野由悠季が脚本、総監督から離れた作品
これまでのガンダムタイトルは全て原作者である富野由悠季が脚本、総監督を務めてきました。
このタイトルで初めて富野由悠季以外が脚本、監督を務め、以降のタイトルの多く、というかほとんどがそうなっています。
ネガティブな終わり方も、富野由悠季を強く意識した上でのストーリーだったのかもしれません。
ちなみに本タイトルは小説版もリリースされていますが、小説版は実はポジティブな終わり方です。
後からリリースされた小説版は、OVA版があまりに悲しい終わり方だったことへの見直しだったのかもしれません。
小説版の終わり方の方が好きというファンも多いみたいです。
初めて②歴史が逆戻り
これまでは「機動戦士ガンダム」~「(同)逆襲のシャア」まで歴史が進んできましたが、本タイトルで初めてまた1年戦争(機動戦士ガンダムと同じ時代)に戻りました。
今では様々な時代で様々な物語が作られていますね。
初めて③OVAでリリース
本タイトルがガンダムタイトルでは初めてOVAによるリリースとなりました。
まだあまりOVAに馴染みが無い時代でしたが、相変わらずガンダムは時代の先取りに秀でていることが実感できます。
初めて④ジオン目線
これまで連邦目線だった物語が初めてジオン目線(ガンダムが敵)として描かれています。
打倒ガンダムには複雑な気持ちでしたが、とても新鮮でした。
今では敵も味方も全部ガンダムです^^;
初めて⑤主人公がガンダムのパイロットじゃない
本タイトルの主人公は「アルフレッド・イズルハ(通称アル)」。
民間人の普通の小学5年生です。
同時に民間人の目線でもあった本タイトルは、正に異端的な存在と言えるでしょう。
初めて⑥ガンダムパイロットが正規の軍人
本タイトルの主役機ガンダムNT-1(通称アレックス)のパイロットは「クリスティーナ・マッケンジー(通称クリス)」。
連邦軍のテストパイロットで階級は中尉。
逆襲のシャアのアムロもある意味当てはまるかもしれませんが、アムロはそもそも軍属ではなかったため省きました。
隣近所のアルと最終的に敵対することになるところは、ガンダムぽいと言えばガンダムぽい。
初めて⑦ニュータイプが登場しない
宇宙世紀ガンダムと言えばニュータイプが活躍する場ですが、本体タイトルには登場しません。(セリフの中にニュータイプという言葉だけ登場します)
ニュータイプはそこらかしこにいるわけではない、現実を知らされた感じでした。
初めて⑧旧タイトルの人物が登場しない
アムロ、シャア、ブライトといったガンダムタイトルの代名詞的な人物が一人も登場せず、全てオリジナルキャラのみで構成されています。
かなり挑戦的な感じがしますし、この時から既にガンダムの自由度が広がっている感じがします。
以上8項目が、筆者が思いつくポケットの中の戦争が初出し項目です。
リリースしたのは平成元年、西暦も80年代、ガンダムタイトルとしては5つ目。
この時から既に30年先、40年先を見据えた構成になっている気がします。
このタイトルがここまで挑戦的な取り組みをしていなければ、もしかしたらガンダムはマンネリ化で既に終わっていたかもしれません。
このタイトルができたことによって、ガンダムは無限の可能性を生むことができた、もしかしたら最大のターニングポイントになったタイトルかもしれません。
以上
【ガンダム列伝】初めてづくしのポケットの中の戦争
でした。